AI(Artificial Intelligence)と並んで話題沸騰中のテクノロジーであるIoT(Internet of things)。
しかし、それは何なのかよく分からない。
モノにインターネットをつなげるってことは何となくわかる。
何となくで今後の技術革新を迎えられるだろうか?
「IoTとは何なんだ?」
「IoTは今後どうなっていくんだ?」
「IoTの問題点ってあるの?」
そんな疑問に答えてくれる本があった。
その名も「IoTとは何か 技術革新から社会革新へ」
著者は坂村健先生というIoTがIoTと呼ばれる前からモノにインターネットを組み込む研究や開発をされていた方だ。
ここではこの本を紹介しようと思う。
IoTとは
IoTとはInternet of Thingsの略であり、直訳はモノのインターネットだ。
しかし、インターネットに繋ぐというのは厳密ではないようだ。
そもそもIoTとは曖昧な言葉であり「バズワード」としている。
「インターネットのように」会社や組織やビルや住宅所有者の枠を越えてモノが繋がれる、オープンなインフラを目指す言葉として捉えるべきだと述べている。
オープンというのはIT業界では「様々な環境下で作成が可能な開放的なシステム開発」と定義されている。
つまり誰もがアクセスできてそれがどうなっているのかみんなが把握できる。さらに開発まで出来てしまうということが理想の様だ。
また、IoTには、現在のその状況を把握できるという特徴がある。
実用化の考えている例として
橋につけた無数のひずみや異常を検知するセンサーが、橋の点検車が通ったときに橋の状況を通信して送り、点検車はその情報をもらえるという製品や、
薬や食料などの保管状況、作られる過程をQRコードなどで読み取りその情報を把握できるという製品だ。
この様に「そのものの状況」を把握できるのがIoTの特徴といえる。
IoTの将来性は?
状況が分かれば、その場に行く必要がなくなったり、食料品の安全性が分かったりして有意義なように思える。
しかし、このような構想はIoT以前にも存在していた。
ユビキタスと呼ばれる物である。
このユビキタスとIoTは呼び方が違うだけでやっていることはほとんど同じだそうだ。
ここがIoTの将来性を分かつ大きな点である。
というのもこういった新技術やバズワードというのはブームがつきまとう。
それが異常に人気があると投資家達が殺到する。
しかし、新技術というのはそう簡単に実用化されるモノではない。
そのため、散々期待するだけして、ブームから時間がたつと誰も振り向かなくなる。
IoTも現在の盛り上がりから考えるとその可能性がある。
しかし、このブームからの転落というのはすでにユビキタス時代に合ったそうだ。
ブームからの転落が来ると回復期というのが来る。
つまり、現在のIoTの盛り上がりは回復期と捉えることが出来る様だ。
IoTの実用化は限りなく近い可能性がある。
そのIoTを現実化するための条件として「リアルタイム性」というのがあげられる。
というのもIoTとは現状の把握という特徴がある。しかし、これにリアルタイム性のないインターネットとがくっついてしまうとせっかくの状況把握が遅くなる。
遅い情報は使い道があるかどうか。いや速いにこしたことは無いだろう。
このようなことから、筆者はTRONの様なリアルタイムOSが活躍するのではないかと考えていた。
TRONとは日本が開発した、そして筆者自らが開発したオープンなOSである。
これはリアルタイム性に優れていてハヤブサの制御や車、工場などの製品や産業用のOSとして活躍している。
一般のパソコンには、技術面以外での様々な行き違いで実用化されなかった用だが、
IoTという土俵では今後公に出る可能性が非常に高い
IoTの導入による問題と対策
IoTが進歩する上で大切になってくるのはオープン性である。
誰でもアクセス出来て、誰もが開発出来る様な環境だ。
これにより開発速度は急速に上がる。
現に、ITはドックイヤーと呼ばれる、人間の約7倍近い速さで進化している。
これがIoTによって開発が激化するとマウスイヤーという人間の18倍もの速さで進化するのではないかと考えられている。
当然、それに対応出来ない組織は淘汰される可能性が高い。
日本はオープンに対してクローズドな社会を構築してきた。
それはある意味強さでもあった。
実際にガラパゴス携帯とも呼ばれるフューチャーフォンは画期的なものであったらしい。
しかし、それにしがみついてしまったが為にスマートフォンに市場を奪われる形となった。
オープンに対応していくためには固執という考えは危険である。
柔軟な対応が必要だ。
そして開発においては、これまで以上にプログラミングスキルが必要にされる。
オープンとはそういうことだ。自分だけが理解すれば良いわけではない。
他の誰かにも読めるようなコーディングを心がける必要がある。
そして、このようにオープンや技術の発達が伴うと当然良からぬことを考える人たちがいる。
つまりリスクが伴う。
そして、このようなリスクの観点から、便利な技術というのは社会で実装されにくい。
それは発展の遅れに繋がる。
そこで、政治や経済などの文系職との協力が求められる。
正に一丸となる必要が今ここにある。
このようにIoTにおける今後の将来を学び
コミュニケーション力、コーディング力、固執しない精神
の3つを学んだ。
まだまだくみ取れていないところも多いが、それらは実践の上で培っていきたい。
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