地方の大学から他大学院入試という形で東北大学大学院工学系研究科機械系4専攻に合格した。
私はもともと勉強が出来る方では無かったが、大学に入り意識が高くなり、自分の実力を試しつつ新しい環境に触れたいと思い大学院入試をするに至った。
私と同じような新しい環境を求める者に参考となり、希望となれれば幸いである。
研究室見学
まずは研究室見学だ。
ぶっちゃけ大学院入試は強者同士のスコアの殴り合いになるので、どこの研究室に配属されるかは未知。よくネットに転がっている「大学院入試はコネで受かる」というのはこの大学院では該当しない。
できるだけ多くの研究室に訪問することをおすすめする。知見を広げる意味でも有効だ。
過去問をおねだりするとくれる研究室もある。
また、研究室見学というイベントをしょっちゅうやってることもあり、気兼ねなく話せる雰囲気もある。
他大学の教授にメールを送るのは少し緊張するかも知れないが、向こうも多くの見学者を見ており、名前や顔はいちいち覚えていないと思われる。その上、東北大学大学院の入試においては点数の高かった順番に研究室が配属されるので不利になることはない。
私は学部4年の3月に訪問したが、訪問する前と後ではモチベーションが全く異なるので早めに行くことをおすすめする。
TOEIC
これもできるだけ早く終わらせておきたいイベントの1つだ。
私は670点で提出したが、第一志望の研究室を狙うなら700点はほしい所だと思う。
噂によるとその年出した最高スコアを100点満点で扱うとか。
大体自分のスコア×0.1という計算になるだろう。
TOEIC以上に筆記の方が大切である。
合格した人の中でスコアが500点代の人もいたが専門科目が異常に出来る人だったのでやはりTOEICを早めに終わらせ筆記試験対策をするのがいいと思われる。
研究
大学は研究機関。今いる大学でしか出来ないこともある。
私の研究室は農業用ロボットの開発というのもあり、農作物の旬の6月下旬までが研究のピークであった。ここまで大学院の対策を何もしないわけにはいかなかったため、朝早く起きて大学院の対策を4時間、その後研究を6~8時間という形でやっていた。7月からは担当の教授に大学院の胸を伝えそこからは大学院の対策に打ち込んだ。
同じ大学院仲間にも研究を後期で追い込むスタイルのひともいれば、がっつり直前まで研究している人もいた。何が正しいのかは一概に言えないが、早めに担当教員と話をして理解してもらう必要がありそうだ。
言いづらいことではあるが、先生側も来年の体制を早く知りたがっている節もあるので早めに言うことをおすすめする。
大学院入試までの勉強
600時間勉強すれば、一般での大学院入試は大概合格するとどこかの記事で読んだ。
故にこの600時間を目安に勉強をすることにした。
とは言っても最初は何からやればいいのかわからない。私はとりあえず直近の数学Aの過去問を解くことにした。それをして分かったのは、この時点では全くわからないということだ。
大門1の微分積分からわからない始末。しかし、合格するにはここで諦めるわけにはいかない。基礎固めが必要だ。
そこで使ったのがマセマシリーズだ。4年間名前だけ聞いてきた参考書だがここで使うものだと納得した。間違いなく良書だ。
また、大学生の強い味方、ヨビノリもおすすめだ。
微分積分の対策はヨビノリの今週の積分シリーズ100で行った。
基礎固めは、何の参考書をやるか決めたらそれをやるだけなので、やるのは速いに超したことがない。
私はTOEICの勉強が終わった4月26日という遅いスタートとなってしまったが、院試でぶっちぎる人は3年の11月からやっていたりする。
基礎固めが終わったら過去問だ。基礎が出来ないと解けない問題ではあるが、この過去問演習が合格する上で重要な要素だと思う。
というのも過去問は多くやるに超したことがないからだ。
過去問をやっているとよく分かるが、「こんな問題過去問に無かった」というイレギュラーな問題が出てくることがある。しかし、過去問を更に遡るとその問題の類題らしきものがあったりする。
最初は分からないことだらけでつらいが、そこはexcelでグラフ化することでモチベーションを高めた。データ化することで何の科目が弱いのかを把握できるのもexcelの強みである。配点は公開されていないので正答率で計算した。
専門科目も同じように解く予定であったが、全範囲満遍なくやる問題集に対して過去問ではかなり傾向の偏った出題のされ方がされていたので、数学よりかは過去問を軸にした対策で行った。
400時間あたりでは合格できるどうか不安な所だったが、600時間を越えてから自信が付くようになった。
勉強時間は勉強を習慣づける上でモチベーションになる。
勉強時間を増やすテクニックは先人達がすでに発見しているのでそれを参考にするといいだろう。
私のおすすめとしては塗り絵勉強方とシフトタスク勉強方だ。
このコンビネーションは強い。
塗り絵勉強とは方眼紙の一マスを30分として勉強した科目の色を塗る勉強方だ。
シフトタスク勉強方とはストップウォッチが鳴るまでその科目をやるという勉強だ。
塗り絵勉強方は、勉強をした報酬を塗り絵という形で可視化することで脳のドーパミンに語りかける。
シフトタスク勉強はストップウォッチを使い、鳴ったら科目を変えるという「だら勉」を避ける狙いがある。
私は1時間と設定し、数学→専門という形でやっていたが、後半にかけては頻繁にタスクシフトしなくても集中出来る様になっていた。勉強の導入としては間違いなく有効だとおもう。
この勉強方法により、私はTOEIC215.5時間、数学555時間、専門科目284時間、面接2.5時間で合計1057時間大学院入試の対策をした。
容量が良ければこれの半分くらいで済むのだろうが、勉強をしすぎて後悔することはないという言葉をどこかで聞いたことがあったので、それを信じて泥臭く勉強した。
入試当日
工学系研究科の入試は青葉山キャンパスで行われた。
1日目と2日目は筆記試験、3日目は面接だった。
1日目と2日目は私服、3日目はスーツで挑む人が多かった。
この年では直近5年で出ていなかった問題がでたが、直近10年で見ると全く同じような問題があった。やはり過去問はやるに超したことはなさそうだ。
確信の持てない問題は全体で4問位あったがそれなりに解答した。手応えはあった。
面接
地方の大学院の面接で、今やっている研究の内容や将来やりたいことなどをがっつり聞かれたので、そこそこ用意したがそれを言うことは無かった。その理由は下の最後に注意点で示す。
一緒に受けた友達は第一志望と第二志望の志望理由を聞かれたという。
この面接には合格フラグがあると噂に聞く。例えば
「博士課程は考えてる?」→合格
「大学院に落ちてたらどうする?」→不合格
といった感じらしいが、不合格フラグでも受かっている人はいるのであまり参考にはならない。
どっちであったとしても合格発表をちゃんとチェックしよう。
最後に注意点
長々と大学院入試について話してきたが、ここで断っておきたいのは私が配属された研究室は第一志望でも第二志望でもないということだ。
私は情報科学研究科のロボティクス分野の研究室に入りたかった。しかし、誤って工学系研究科に応募してしまった。それに気づいたのはお盆前日の受験票が届いてから。時すでに遅し。工学系研究科の研究室の情報を持ち合わせていなかった私は第一希望と第二希望の研究室に人気の研究室をかき、スコアで殴り負けた。上の記事はそういった失敗談も反映させて書いている。
面接は専攻別に教室が用意されるが、第一志望、第二志望に通らなかった生徒は機械システム工学専攻という存在しない専攻として1つの教室に集められる。
そこで学部長直々にお言葉をいただき、配属可能な研究室の資料をいただく。その中から一時間ほどで研究室を選ぶことになる。資料だけではイメージしにくい研究が多い中、今年出来た研究室で私の気になる分野を研究しているところがあった。即解答。面接室に希望研究室を書いた書類を持っていくと。
「あなたは来年から東北大学大学院のここの研究室に配属です。よろしいですか?」
「はい!」
という会話をして面接は終わった。
思うに受験も含めてだが、何かをやるには運の要素もある。それは理不尽なことかも知れないが、何かに打ち込めている人こそその運は味方になると思う。決して、それにつぎ込んだ努力は無駄にはならない。
私自身も応募先を間違えるというミスをしたときはとんでもなくつらかったが、今となっては後悔はない。やることはやった。
これから大学院を受ける方々も進路が決まるかどうか不安であると思う。その未来がどんなものであったとしてもそこにドラマがあるはずだ。
この記事が皆様の果て無きドラマの片隅にでも写っていたなら幸いである。
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