「ChatGPT」を聞いたことがあるだろうか?
良くも悪くも今話題になっている。
私の現在いる研究室にも、取り憑かれたように「ChatGPT」と連呼している先輩がいる。
それは私たちの生活をよりよくしてくれるのか?はたまた人間をだらしなくさせてしまうのか?
そんな疑問を持ち東北公益文科大学大学院のオンライン講演を受けてみた。
AIに興味がある方々の参考になれば幸いである。
1, AIの現状と課題
生成AIとは与えられたパターンに対し、統計的に新しいコンテンツをつくることである。
対話型と画像生成がこれに当たるが、中でもChatGPTが今猛威を振るっている。
これは大規模言語モデル(Large Language Model)からなっている。
大規模言語モデルとは、与えられた文章に持つ付いて、次に出現する確率が最も高い単語を予測するものだ。
統計的というと中々正確性がありそうだが、事実に反した内容を出力することが多い様だ。
実際にAI専門家のRodney Brooks は答えがそれらしくなる様にしてるだけで取るに足らないと言っている。またOpenAIのSEOであるSam Altmanは「偉大であるかの様な誤解を与えるには十分な機能を備えている。」と言っている。この時点で、AIは恐怖ではないように感じる。しかし一方で向こう五年で30%の仕事がAIに取って代わられるという予測がされている。
ではどんな仕事がとられるのか
それはAIの長所を見れば参考になるだろう。
ハーバードビジネススクールと、MIT、ボストンコンサルティンググループの行った研究によれば
AIは創造的イノベーションに強く、ビジネス課題の解決に弱いそうだ。
つまり事実やデータに基づく推論はまだ人間に劣っていることになる。
統計的に学習するはずなのに創造的イノベーションに強いのは矛盾している様に思えるが、どうやらそういう結果になったらしい。
2, AI技術がもたらすもの
植田先生は、AI技術がもたらすものとして7つ定義した。
- 人
- セキュリティ
- ドッペルゲンガー
- 高速道路
- wikipedia
- ウソをウソと見抜く力
- 英語力、文章力
1~3、6にかけては、詐欺の手口が高度化、ロボットなのかひとなのかわからない、人を再現出来るという再現性の話である。
4の高速道路というのは羽生善治さんがITとネットの進化と将棋に及ぼす変化について表現した言葉である。しかし、一方でその高速道路を走り抜けた先には大渋滞が起こっているとも表現した。
将棋の世界だけではなくどの業界においても同じことがいえると植田先生は言う。
5のwikipediaについては、ChatGPTは一昔前のwikipediaと同じ対応がされているという。
具体的にはレポ-トにそれを用いてはいけませんということだ。ChatGPTの成り行きはwikipediaが参考になるかも知れない。
7に関しては、AIの進出により厳しくなると言われている所である。
現に論文を投稿する際にAIによって作成された文章と判定されたら、その論文の投稿は受け取らないという規定がある。
AIが発展することにより、より正しい文章の書き方が求められている。
英語も同様だ。Deep L 翻訳という便利なツールがあるが、そのまま和訳や英訳するのは好まれていない。
このような訳で、結果的に英語力と文章力が上がると言われている。
3, 結局どうすればいい?
第3次AIブームがブームで終わると予測する専門家もいるが、進化し続ける現状を見れば間違いなくAIは私たちの生活に良くも悪くも影響を与えることになる。
ゆくゆくはAIに国を任せるという国家も現れるかも知れない。
AIは間違いなく人間を越えてくる。一方で、正しいという定義が個人によって違う以上、AIのやっていることが何もかも正しい訳では無い。
AIが何を持ってその提案をするのかは私たちが考える必要がある。
温故知新
この言葉を胸に付き合って行くことが重要だろう。
最後に決断をするのは我々なのだから。
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